現職に不満を持つ人は、少なくないようだ。
今後の展望に期待ができない場合は、転職をするのも一つの選択肢ではあるが、転職には後々になって顕在化してくるリスクがある。 近年、転職市場は好転しており、有効求人倍率については、およそ25年ぶりの高水準であると言われている。これは、団塊世代の退職と少子化による若年層の労働力の不足が理由とされているが、若い人は転職先を見つけるのは、ひと頃ほど難しくないようだ。
しかし、キャリアアップを目的としたプラス面を求めた転職であれば良いが、現職の不満を解決するための転職は、簡単にはすべきではないと言えるだろう。終身雇用制の崩壊から、社会は仕事を変えることを賛美しているようにも見えるが、長期的なリスクを考えると好ましい状況ではない。
転職した先では、現在抱えている不満は解決されるものの、新しい問題が生じてくる可能性は意外と高いようだ。さらに都合の悪いことに、一度正社員を辞めた経歴があると、その後に正社員を辞めることに抵抗が少なくなってしまう可能性がある。ある程度の期間があって、初めて乗り越えられる壁も多く、若年層の転職の最大のリスクと言っても過言ではないだろう。
このリスクは30代、40代になった時に、キャリア不足の形で顕在化してくる。今の仕事を諦める前に、まだ方法があるのではないか?と問いたくなるケースがあまりに多いのである。有意義な転職ができるケースは多くあるが、これは事前の計画や将来への展望を正しく行った者のみが得られる結果なのである。今の職場に居続けることも思っている以上に正しい判断なんだと頭に置いていてほしい。