転職のリスクは、大きく3つあると言えるだろう。
第1に、正社員になれる可能性が下がってしまう。会社としては、将来を期待して育成しようと思える人材を正社員としたいと考えるものだ。そのため、ステップアップのために前職を辞めたが、なかなか正社員になれず、転職を繰り返しているうちに30代になり、非正規雇用しか選べなくなったというケースが多いようだ。
第2に、給料が下がる可能性が大きいことが挙げられる。例えば、社会人経験10年目の人が、給与が17万から28万の募集に応募した場合、18万の給与での採用となる場合がある。特に、違う業界に変わる場合は、それまでの経験は考慮されないことが多いようだ。併せて、1年目はボーナスも支給なし、もしくは少額のみの支給となる可能性が高い。そのために転職して1年目は年収が100万以上下がる場合がある。
第3に、前職を辞めた理由や勤続年数によっては、採用面接の際に不利になりやすい。例えば、5年同じ会社で働いて、結婚による引っ越しのために仕事を辞めた人、社会人1年目の夏に辞めた人では評価が大きく変わる。そのため、1年目の夏に辞めた会社員がたくさんの求人に応募したが、1年経過しても受からなかったというケースが見られる。というのも、会社の多くは、長期間安定して働いて会社に利益をもたらしてくれる人をもとめるからである。そのため、業界が合わなかった、ステップアップしたいなどの理由があっても、採用面接の際には1年目に辞めたということはマイナスの評価に繋がりやすいと言えるだろう。